内服飲み忘れに効果的な服薬指導の声かけについて考える

みなさんこんにちは。代表の松葉です。今日は大型の台風が都内に直撃するとのことで、訪問業務の皆様十分お気を付けて。

・「認知症のご利用者様の内服の飲み忘れについて」

なぜ内服を飲み忘れるのか?そのメカニズムについて、服薬指導の際に考えたことはありますか??

先日、認知症の悪化により様々な対策の中、内服の飲み忘れが続いたご利用者様が脳梗塞再燃をして倒れました。

・認知症で降圧剤・抗血小板薬・利尿剤内服中で、内服を飲み忘れることで、脳梗塞や心筋梗塞、病状再燃をおこすリスクが高い。
訪問看護の対策では以下を常時対策として行っている。
①お薬カレンダーを作成。
②薬包の一包化と、内服回数の調整(医師)。
③訪問回数の調整。
④認知症予防機能訓練。
⑤家族や他の訪問ヘルパーさんにも内服促しの協力していただく。
⑥バイタル状態観察と医師への報告、ケアマネとの連携報告。
⑦ご本人への内服の促し、声かけ、見守り内服。

⑦の、この最後の声かけについて、もっと効果的な認知症のかたへのアプローチがないか調べて考える。

1⃣関連性を持たせて記憶する
・脳科学の観点から調べてみると、単純に内服忘れないでくださいね。と声かけして内服するということだけではなかなか記憶に残りにくい。また質問も、内服はしましたか?と随時声かけしても弱い。
そこでヒモづけされた方法で関連性をもたせた声かけにする。
「お食事は、何を食べましたか?お食事のあとは、何をしますか?」
というように、食事のあとにする事は内服だ。ということを関連づけて声かけを工夫。

そして繰り返し行動することで、認知症が進行しても内服の飲み忘れが少ないことがわかっているとのこと。

2⃣リスクの説明をする

内服を忘れない人の中には「薬を飲んでおかないと後々、頭痛がして仕事にならない。」と、リスクを恐れて絶対内服する一方、薬を飲み忘れる人は、その時点でさほど不安を感じていないので、薬を飲むモチベーションが持てない。

 人は思い出すときに一瞬緊張する。それを普段は自覚しないので、いきなり薬のことを思い出したように感じるているとのこと。

実際、心拍を取ると、リラックスしたところからふっと心拍が上がって、緊張が生じた後に思い出すことが証明されているとのこ、すなわちこの緊張をいかにもたらすかがポイントになり、不安の要素が重要になる。

飲み忘れをなくすということは、多少不安を感じてもらうことも必要かもしれない。なぜ薬を飲むのか、飲まなかったらどうなるリスクの可能性があるのかをきちんと説明することで意図的に不安や緊張を持たせることも手段かもしれない。

 3⃣薬剤名を具体的に言う

実は「薬を飲む」という抽象的な記憶よりも、「アムロジピンを飲みましょうか」というように具体的に薬剤名を記憶する方が強く残るとのこと。さらに、薬剤名の由来などプラスアルファの情報があると、その薬剤に親近感がもてて記憶に残りやすくなるとのこと。

 4⃣認知症が悪化する前から、ルーチーン化する

繰り返し繰り返し、食事のあとはアムロジピンをのむ。というような声掛けでルーチーン化し習慣化することで、認知症が進行しても内服の飲み忘れが減るとのこと。

調べる中で、記憶は側頭葉・海馬でされて、思い出すことは前頭葉だということや、「内服しましょう。」と単純に声掛けするだけでなく、声かけでもより記憶に残してもらえるような声掛けが大切であることを改めて認識した。

上記を現場で意識的に活用して、今回のようなリスクを防いでいきたいと思う。

★内服時間になったら、サイレン音と赤い光とともに、内服がとびだしてくる器械を誰か開発してほしいって意見も事務所内ででていました(^^)

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